4人によって何かがつくられていく過程

なんだっていいじゃない

「読んでいない本をどれだけ増やすのか」という戦い

 

あと少しでこのブログの更新が終了するので、

本について書いておこうと思います。

 

 

 

 

本は良いです。

 

文庫本は持ち運べるし、ハードカバーは所有感があるし、

新書は美しい長方形だし、技術書は切れます

 

 

読むのが遅ければ遅いほど、お金がかかりません。

 

分厚ければ分厚いほど、読んだ人が少ないので話題に上がりません。

 

難解であればあるほど、ネットで要約を調べれば読んだ気になれます。

 

会話の中で特定の本の話になっても、

読んだかどうかなんていくらでもごまかせるし

読まなくたって話すことができます。

 

だから、本を開くのも、開いてから途中で止めるのも、

何度も何度も読み返すのも、個人の域を出なければ自由で良いです。

 

ただ、本は語られるために存在するような一面もあります。

 

読書は個人的な営みのように見えて、

人々と語るために行っている場合が多いように思います。

 

人に教えたくないほど好きな、あるいは嫌いな本に出会うというのは、

ものすごく稀で幸せなことだと思います。

 

読書という行為そのものだけが好きで、読んだ本について誰に語らずとも

本棚を埋め尽くせるという人は、選ばれし者です。

 

どっかしらで読んだ本について話したり書いたりしたくなると思います。

 

 

 

僕の高校時代は長谷部誠長友佑都の本しか読みませんでしたが、

本田圭佑は読書家である」という情報を耳にしてから

実家にあったサリンジャーやら村上春樹を持ち出し、

読書家キャラとして大学デビューを飾りました。

 

 

途中でホリエモンあたりのビジネス書イケイケゴリゴリキャラを挟み、

学術書を読み始めたところで

読書家キャラは無理だと気付きました。

 

 

作家の人ハンパねえ。

多彩なジャンルと膨大な量の本読んでるやん。

そんなんできひんやん普通。

 

 

まず本読むの遅いから、長生きするしか勝ち目がない。

読書速度を測って絶望した記憶があります。

 

 

と同時に、読めば読むほど、読んでない本が増えていきます。

 

本の存在を知らなければ、「読んでいない本」という認識の枠からは外れます。

 

タイトルだけでも知ってしまえば、「読んでいない本」認定されます。

 

すると当然、まだ「読んでいない本」認定されていない本が

この世に無数に存在することに気付きます。

 

 

 

助けてソクラテス

 

 

 

そう思って手にとった『ソクラテスの弁明』は

ソクラテスが裸足で生活していたことくらいしか分かりませんでした。

(あとソクラテスがムキムキであったということ)

 

 

 

こうしてマッチョになったわけですが(僕はマッチョです)、

無数の「読んでいない本」ですらない本の存在を感じた時、

何を読んだらいいのか、何を読みたいのかよく分からなくなりました。

 

たしかに、信頼している友人に勧められた本が面白い確率は高いですし、

勧められた時点で語る需要が発生しているのでモチベーションにはなります。

また、幸運なことに好きな作家の存在ができたので

読んでるうちは楽しいです。

 

ただ、好きな作家の本はいつか読み終えるし、

友人あるいはAmazonから勧められる本を読み続けるという

無限ループから抜け出せないとなると

読書家キャラ、あるいは「語るために読む」のがしんどくなりました。

 

 

 

そんな時に読んだのがこちら

 

 

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これも途中までしか読んでない

 

 

 

怪しいビジネス書みたいなタイトルですが、ちくま学芸文庫から出ている

割と有名な本です。

 

 

ここに、

「文学の専門家でも読んでない本(小説)て結構たくさんあって、

知ったような顔して語ることも多いよ〜」

 

って書いてあって、すげー安心しました。

 

そりゃそうだよな〜

 

いくら職業にしているとはいえ、読むのダルい本もあるよな〜

 

 

面白かった部分を要約すると、

「いわゆる教養ってのは、個別の書物に対する知識じゃなくて、書物と書物のあいだの体系的な繋がりのこと。

教養があるやつってのは、全体の中で自分がどの位置にいるかを把握して、自身を方向づけられる人間のこと。」

 

 

おお〜

 

それっぽいことを言っている。

 

 

教養人になりたいとは思わないけど、

有名な本を読みまくるのは無理として、

書物そのものを知らないってのは

寂しいもんだなと思いました。

 

 

「読んでいない本」が増えれば増えるほど、

僕はどんどんマッチョに方向づけられます。

 

 

 

以上です。

 

 

 

 

佐藤