すべてのトイレットペーパーは消耗品である
よく腹が壊れる。
最近は専ら自宅待機なので、
朝は土手を散歩して、自宅で3食たベて、6~7時間寝て、
酒はあまり飲まない生活をしているのに、
2日に1回は腹が壊れる。
厳密にいえば、2日に「1回」などで終わる話ではない。
休憩しようと椅子から立ち上がる度に、
誰かにスイッチを入れられたみたいに腹が壊れる。
ただ、不幸中の幸いというべきか、ずっと家にいるからトイレを探す必要がない。
人間がトイレを探している際に感じる時間経過は、
グラビアアイドルのインスタを見ている時の約1010倍と言われている(嘘)
(便器だけに1010)
そう考えると、僕の人生は時間の感覚でいうと半分以上はトイレを探している気がする。これは冗談ではない。
5年ほど前に、地獄を見たことがある。
当時、僕が通っていた大学のキャンパスは埼玉の田舎にあり、
最寄駅からバスで20分かかった。
その日はどうしても朝早くキャンパスに行かなくてはならない用事があり、
バスが出ていない時間帯だったので、仕方なくキャンパスまで歩くことにした。
〜キャンパス到着まであと1時間〜
歩き始めて5分ほどで、腹痛の予兆を感じた。
〜キャンパス到着まであと55分〜
さらに5分後、確実に腹痛であることを感じた。
〜キャンパス到着まであと50分〜
10分後、大腸から緊急事態宣言が発令。
残り10分で崩壊。
〜キャンパス到着まであと40分〜
必死にトイレを探すが、見回す限り畑と森。
諦めを感じてしまったことで、限界水準が低下。
残り3分。
〜キャンパス到着まであと35分 / 崩壊まで残り3分〜
瀕死で足を進めると、建物が見えた。
小学校だ!!
体育館の脇に、外付けのトイレが見える。
勝った。
藁をも掴む思いで入門した。
(セコムとか鳴らなくてマジで良かった)
後で警備員さんに頭下げようなんて考えながら、
天国への扉に手をかけた。
開かねえ
僕は扉に背を向け、校門の前で立ち尽くした。
(ダブルミーニングではない)
・・・
とにかくトイレに悩まされてきた人生だったが、
ここ数週間は永遠の安寧を手に入れたかのような気分だった。
しかし、それがよくなかったのかもしれない。
危機感を失った人間は、自らの衰退に無自覚になる。
村上龍がエッセーでこんなことを書いていた。
危機感を持っていない人は、どういったものが危機感なのか、
危機感を持つとはどういうことか、わかっていない
『すべての男は消耗品であるvol.5』p.78
「トイレに行ける」という安心感によって、
本来持つべき「腸内環境への危機感」を見失っていたのだと思う。
今日から腹筋を始めた。
佐藤